肝障害は軽度?組織像はsevereなAIH- page 1

昭和大学藤が丘病院 消化器内科

船津康裕 先生

症例:76歳 女性

主訴:肝機能障害

現病歴:平成7年11月胃潰瘍の治療のため外来受診。この時は肝機能障害なし。GOT 26、GPT 7、Alp 154。その後、特に自覚症状などなく、平成9年4月24日採血の結果、GOT 102、GPT 85、Alp 250、γ-GTP18と肝機能異常を呈したが、HCV抗体(−)、HBsAg(−)であった。その後、肝機能異常値持続するため、精査目的で同年8月12日入院となる。

既往歴:昭和31年 子宮後屈で手術、輸血(+)。

家族歴:特記すべき事なし。

生活歴:飲酒歴なし。喫煙歴なし。薬物歴なし。輸血・手術歴なし。

入院時現症

眼球結膜黄疸なし、眼臉結膜貧血なし。

肝脾触知せず。

入院時検査成績

US上肝脾異常なし。

PT 80.4 HPT 96.0
HPT 84.8 Ht 33.5
Hb 10.7 g/dl WBC 3900 /mm3
RBC 337 x10/mm3 Plt 23.4 x104/mm3
HA-Ab IgM-HA Ab
HBsAg - HBsAb
HBeAg HBeAb
IgM-HBcAb DNA-p
HCV Ab - 総胆汁酸 6.8 nmol/ml
ANA x80 (Speckled) ASMA nd
AMA x40 AM2A <5.0 U/ml
ICG(R15) 9.2 % LKM-1 Ab nd

入院までの肝機能の推移

H7.11.24 H9.4.24 H9.5.15 H9.8.13

(入院時)

T-Bil 0.4 0.4 0.5 0.4
D-Bil
ZTT 19.6 18.1
GOT 26 162 201 50
GPT 11 85 105 23
LDH 314 473 528 413
Al-p 154 250 266 183
Ch-E (135-413) 267 275 215
γ-GTP 7 18 25 18
T-chol 173 138 140
T-P 7.4 7.7 6.7
Alb 4.2 4.6 4.1 3.3

腹腔鏡(8月15日):左葉軽度萎縮し、線維化を左右共に瀰漫性に認める。慢性肝炎(AIHが疑われる)。

高齢の女性で軽度から中等度の肝障害が持続している例ですが、組織像はどうでしょうか。

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