Drug-induced hepatitis caused by hair dye? - page 1

北里大学東病院 消化器内科

竹澤三代子 先生

症例:58歳 男性

主訴:肝機能障害

現病歴:1994年7月:検診にて肝機能障害指摘。

1994年9月:当科9月12日初診、外来通院。

1994年12月:肝機能障害増悪。12月17日から1995年2月10日まで入院精査。12月19日腹腔鏡および肝生検施行。SNMCで加療。

なお、1994年11月中旬と1995年2月2日に染髪料で染色。

1995年2月:肝機能障害再増悪。

1995年3月:肝機能障害改善。

既往歴:2歳ジフテリア、5歳脊髄小児麻痺、15歳虫垂炎切除術、39歳右乳腺腫瘍切除術、輸血(−)。

家族歴:父:気管支拡張症、母:直腸癌、兄:アルコール性肝障害、妹:心弁膜症。

生活歴:飲酒歴 ビール2本/日 20から55歳まで。

入院時現症

眼球結膜黄疸なし、眼臉結膜貧血なし。

肝 右左鎖骨中線1横指触知、脾 左鎖骨中線1横指触知。

入院時検査成績

PT 92.9 HPT 96.0
PPT 75.0 Ht 33.5
Hb 15.1 g/dl WBC 3900 /mm3
RBC 481 x10/mm3 Plt 23.4 x104/mm3
HA-Ab 95% IgM-HA Ab -
HBsAg <4 HBsAb -
HBeAg <4 HBeAb -
IgM-HBcAb DNA-p
HCV Ab - HCV Ab 2nd - -
ANA - ASMA x40
AMA x20 ADNA
ICG(R15) 9 % LKM-1 Ab

入院までの肝機能の推移

1994.9.12

初診時

1994.12.17

入院時

1995.2.9

退院時

1995.2.21

再増悪時

T-Bil 1.3 1.3 1.5 1.6
D-Bil 0.3 0.4 0.4 0.5
ZTT 7.2 9.6 8.6
GOT 51 302 81 356
GPT 44 395 91 360
LDH 318 491 345 537
Al-p 148 166 157 175
Ch-E 1.11 0.98 1.05 1.01
γ-GTP 31 110 92 109
T-chol 137 139 157 162
T-P 6.7 6.3 6.6 6.9
Alb 4.2 4.1 4.0 4.2

腹腔鏡(1994.12.19):肝表面は平滑で明らかなRMはない。

急性の肝機能障害の原因としてウイルスマーカーは陰性である。原因として染髪料が考えられたが、LSTは陰性であった。病理組織学的に薬剤性肝障害が考えうるか?。

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