二種類の防御機構の穴
防御機構の穴には、2種類ある:能動的失敗と潜在的条件である。これら2つが組み合わさったとき、事故が起きやすい[13]。
能動的失敗は患者やシステムと直接接触のある人々によってなされる、安全でない行為である。ちょっとした間違い、思い違い、へま、間違い、手順を守らないこと、などいろいろな形をとる。
潜在的条件は、システムに潜む、避けることの出来ない、いついてしまった病原体である。これは、設計者、建設者、手順を書いた人、トップレベルの管理者によりなされる決定から発生する。決定が間違っている場合もあるが、必ずしもそうとは限らない。すべての戦略的決定には、システムへ病原体を招き入れる可能性がある。潜在的条件は現場で過誤を引き起こす条件となる場合と、防御機構に持続性の穴あるいは弱点を作り出す。潜在的条件はすぐに過誤を引き起こすわけではないので、その存在を予見することが難しいことが多いが、事前に手当てをしておく必要がある。
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