医療人としてのプロ精神(Professionalism、職業精神)

新世紀の医師の職業精神:医師憲章

European Federation of Internal Medicine
American College of Physicians-American Society of Internal Medicine (ACP-ASIM)
American Board of Internal Medicine (ABIM)

Medical professionalism in the new millennium: a physician charter. Ann Intern Med 2002; 136:243-6. PMID: 11827500

前文

職業精神は医師と社会との契約の基礎である

職業精神は患者の利益を医師の利益より上に置くこと、能力(Competence)と完全性(Integrity)の水準を維持すること、健康についての問題について社会に専門家の助言を与えることを要求する。医師の職業精神の原則と責任は医療人及び社会の双方に明確に理解されなければならない。この契約に必須なことは、医師に対する公衆の信頼であり、これは医師個人と医療界全体両方の完全性に依拠する。

現在、医学専門職は技術の爆発的進歩、市場の力学の変化、医療の供給における問題、生物兵器テロ、そしてグローバル化に直面している。その結果、医師は患者と社会に対する責任を果たすことにますます困難を見出している。このような状況において、今なおすべての医師が追及すべき理想である、基本的、普遍的な医師の職業精神の原則と価値がすべて一層重要になってきている。

医学専門職はどこでもさまざまな文化と国家の伝統の中に、埋め込まれているが、その構成員はその元をヒポクラテスまでさかのぼる、癒す者としての役割を共有している。まさに、医学専門職は複雑な政治的、法的な力、そして市場の力と戦わなければならない。さらに、医療の供給、医療の実践には大きな違いがあり、それらを通じてどのような一般原則も複雑でかつ微妙な方法で表現されうる。これらの相違にもかかわらず、共通の主題が現れ、3つの基本原則の形と一定の職業的責任の集合として、この憲章の基礎を形成している。

関連事項
  1. 基本原則
  2. 職業的責任