SIRS全身性炎症反応症候群

(Systemic Inflammatory Response Syndrome)サース(ズ)とは、1991年8月American College of Chest Physician & Society of Critical Care Medicineの合同Consensus Conferenceで提唱された概念であり,SIRSに基づいて新しい敗血症の定義も提唱された。

SIRSは,侵襲(ストレス)に対する不適切あるいは過剰の生体反応の結果起こる症候群として理解されている。

多くは重症感染症が原因となるが,重症外傷,熱傷,重症膵炎などでは感染症がなくてもおきうる。

感染,大手術などの過大な侵襲により刺激されたマクロファージにより惹起されるTNF,IL-1などの炎症性サイトカインを中心としたメディエーターの反応が主役である。

SIRSの診断:
種々の臨床的侵襲に対する全身反応の内,次の4項目の内2つ以上を満たす状態がSIRSとされる。
1.体温が38度C以上あるいは36度C未満
2.心拍数90/分以上
3.呼吸数20/分以上またはPaCO2が32 mmHg未満
4.白血球数12,000/mm3以上あるいは4,000/mm3未満,または未熟顆粒球10%以上

すべてのSIRSに対して治療の必要があるわけではない。重症化するSIRSは臓器障害→MOF

(Multiple Organ Failure)→死亡の過程をとる可能性が出てくるので治療が必要となる。

SIRSの治療
1.感染→抗菌薬
2.循環動態→輸血,カテコールアミン(ドブタミンなど)
3.Humoral Mediators→抗炎症薬(ステロイドなど),蛋白分解酵素阻害薬,血液浄化