寄生虫疾患

線虫症 Ascariasis

鉤虫症(十二指腸虫症) Ancylostomiasis: 小腸粘膜に寄生
便から集卵法で虫卵を証明。
ズビニ鉤虫→経口感染→貧血、消化器症状
アメリカ鉤虫→経皮的に感染、幼虫が肺や気管支を通過。
・ピランテルパーモエイト(コンバントリン)、メベンダゾール。

回虫症 Ascariasis :小腸に寄生
便から虫卵を証明。
腹痛、下痢、時にイレウス。
・ピランテルパーモエイト、他。

蟯虫症 Enterobiasis : 盲腸付近に寄生し夜間肛門周囲で産卵。
スコッチテープ法で肛門周囲から中卵採取。
肛門部の掻痒感。
・ピリビニウムパーモエイト(ポキール)、他。

鞭虫症 Trichocephaliasis : 回盲部に寄生
便の遠心沈殿法や浮遊法による虫卵の証明。
多数の感染で腸炎を起こし、下痢、腹痛、貧血。
・サイアベンダゾール、メベンダゾール。

糸状虫症 Filariasis: リンパ節、リンパ管に寄生:日本ではなし。
夜間末梢血でミクロフィラリア(被鞘幼虫)を証明。
発作性の発熱、乳び尿、陰嚢水腫、象皮病。
・ジエチルカルバマジン(スパトニン)

その他の線虫:糞線虫症 Strongyloidiasis、顎口虫症 Gnathostomiasis、旋毛虫症 Trichinosis、アニサキス症 Anisakiasis、イヌ・ネコ回虫幼虫移行症 Toxocariasis

条虫症 Teniasis


広節裂頭条虫症 Diphyllobothriasis latum :腸管内に寄生。
便から虫卵を証明。体節の自然排出。
サケ、マスの生食で感染。
消化器症状。
・ビオチノール、ニクロスアミド(ヨメサン)

無鉤条虫症 Tenia saginata : 小腸に寄生。
スコッチテープ法で肛門周囲。体節の自然排出。
牛の生肉で感染。
消化器症状。
・ビチオノール、カマラ。

有鉤条虫症 Tenia solium :腸管に寄生。
便からの虫卵の証明。体節の自然排出。
豚の生肉で感染。

包虫症 Hydatid disease (エキノコッカス症):腸管から肝、肺。
画像診断、血清抗体。
キツネ(キタキツネ)、イヌから排出された虫卵の経口摂取、ウサギ肉の摂取。
嚢胞が増大し圧迫症状。
・早期に外科切除。メベンダゾール、プラジカンテル。

吸虫症 Trematode

住血吸虫症: 日本ではほとんどなし。
日本住血吸虫症 Schistosomiasis japonica、マンソン住血吸虫症、ビルハルツ住血吸虫症
便から虫卵を証明。
ミヤイリガイ、ヒラマキガイ− 中間宿主→セルカリアが水中で経皮的に感染。

肺吸虫症 Paragonimiasis (肺ジストマ):肺
喀痰や便からの虫卵の証明。
イノシシ肉の生食。カワニナ、モクズガニ、サワガニの経口摂取。

横川吸虫症 Metagonimiasis :腸管
便からの虫卵の証明。
カワニナ、淡水魚の生食。
軽症(腹痛、下痢、粘血便)

肝吸虫症 Clonorchiasis (肝ジストマ): 肝
便および胆汁から虫卵の検出。
マメタニシ、コイ科の淡水魚の生食。