C型慢性肝炎 chronic hepatitis C

●感染初期には診療を受けていない例が多く、自覚症状も乏しいので、軽度のAST, ALTの上昇により発見されるケースが多い。
●HCV Abが陽性であればHCVに感染している。さらに、アンプリコア法など核酸増幅法により血清HCV RNAが証明されれば、HCVの存在を証明できる。

HCVのウイルスマーカーについてはこちら参照

●慢性肝炎から肝硬変症肝細胞癌へと進行する例が多い。現在、日本における肝硬変肝細胞癌の70−80%はHCVが原因である。 

●治療:
PEG-インターフェロン(週1回投与)とリバビリンRibavirin(1日2回内服)の併用療法が標準治療である。48週投与が行われる。ウイルスのゲノタイプ、ウイルス量により有効性が異なるが、50%以上の著効(投与終了後6ヶ月以上HCV RNA陰性持続)が得られる。著効の場合、肝線維化が改善し、肝細胞癌の発生が抑制される。著効でなくても有効(投与中の肝機能改善、ウイルス消失)であれば、肝細胞癌の発生が抑制される。

リバビリンは溶血性貧血の副作用が約30%起こる。 インターフェロンは発熱、筋肉痛、血小板減少、白血球減少などの副作用が出現し、時には間質性肺炎など重篤な副作用が出現する場合があるので、治療中のモニタリングが重要である。

肝硬変でも著効が得られる。また、肝細胞癌治療後の投与で、再発が抑制される。ただし、これらの病態では血小板減少のため、インターフェロン投与ができないことが多い。



関連事項
  1. 自己免疫性肝炎 autoimmune hepatitis (AIH)
  2. 原発性胆汁性肝硬変 Primary biliary cirrhosis (PBC)
  3. 原発性硬化性胆管炎 Primary Sclerosing Cholangitis (PSC)