原発性胆汁性肝硬変 Primary biliary cirrhosis (PBC)

●中年以降の女性に好発。皮膚掻痒感が初発症状であることが多い。
●組織学的に小葉間胆管の破壊、その周囲のリンパ球の浸潤=chronic non-suppurative destructive cholangitis: CNSDCが特徴的。進行する例では胆管が次第に消失し肝硬変へと進行し、黄疸が出現する。
●胆道系酵素の上昇、抗ミトコンドリア抗体 (anti-mitochondrial antibody, AMA) 陽性である。AMAはPyruvate Dehydrogenase (PDH)のE2 componentに対する抗体が主成分である。
●無症候性PBCは予後良好。有症状PBCは予後不良。黄疸が末期に出現。
●有効な治療法はないが、UDCAの投与によりALPの低下や、AMAのタイターの低下が認められる。しかしながら長期予後の改善が証明された治療法はなく、肝移植の適応となる。