急性膵炎の治療重症度判定
急性膵炎重症度判定基準-I
A:臨床徴候
◯ショック 収縮期血圧80mmHg以下、もしくは80mmHg以上でもショック症状を認めるもの。
◯呼吸困難 人工呼吸器を必要とするもの
◯神経症状 中枢神経症状で、意識障害(JCSU以上)を伴うもの。
◯重症感染症 白血球増加を伴う38℃以上の発熱、血液培養陽性・エンドトキシンの証明、腹腔内膿瘍の認められるもの。
◯出血傾向 消化管出血・腹腔内出血(Cullen徴候、Grey-Turner徴候)、DICを認めるもの。
急性膵炎重症度判定基準-II
B:検査所見
◯BE≦-3mEq/l
◯Hct≦30% (輸液後)
◯BUN≧40mg/dl またはCr≧2.0mg/dl
・Ca ≦7.5 mg/dl
・FBS ≧200 mg/dl
・PaO2≦60 mmHg
・LDH ≧700 IU/l
・TP ≦6.0 g/dl
・PT ≧15 秒
・Plt ≦10万/mm3
CT grade 分類
Grade T 膵に腫大や実質内部不均一を認めない。
Grade U 膵は限局性の腫大を認めるが,実質内部は均一であり,膵周辺への炎症の波及を認めない。 (「膵頭部で1椎体以上,膵体尾部で2/3椎体以上を膵腫大」としたHaagaらの基準)
Grade V 膵は全体に腫大し,限局性の膵実質内部不均一を認めるか,あるいは膵周辺(腹腔内,前腎膀腔)にのみ炎症の波及や液貯留を認める。
Grade W 膵の腫大の程度はさまざまで,膵全体に膵実質内部不均一を認めるか,あるいは膵周辺をこえて(胸腔,または左側の後腎膀腔)炎症の波及や液貯留を認める。
Grade X 膵の腫大の程度はさまざまで,膵全体に膵実質内部不均一を認め,かつ膵周辺をこえて炎症の波及や液貯留を認める。
Ransonの予後判定因子
アルコール性、その他
1.年齢 ≧55歳
2.WBC(/mm3) >16000
3.FBS(mg/dl) ≧200
4.LDH(IU/l) ≧350
5.GOT ≧250
6.Hct(%) 10以上低下
7.BUN(mg/dl) 5以上上昇
8.Ca(mg/dl) ≦8
9.PaO2(mmHg) ≦60
10.Base Deficit(mEq/l) ≧4
11.Fluid sequestraion(ml) ≧6000
胆石症によるもの:
1.年齢 ≧70歳
2.WBC(/mm3) >18000
3.FBS(mg/dl) ≧220
4.LDH(IU/l) ≧≧400
5.GOT≧250
6.Hct(%)10以上低下
7.BUN(mg/dl)2以上上昇
8.Ca(mg/dl) ≦8
9.Base Deficit(mEq/l)≧5
10.Fluid sequestraion(ml)≧4000
急性膵炎の予後
厚生省基準:
中等症での死亡率 2%、重症は30%
Ranson分類:
2点以下だと死亡率はほとんど0
3-5点で10-20%
6点以上で50%