消化性潰瘍の治療

治療
1.プロトンポンプ・インヒビター(omeprazoleなど)+テトラサイクリン(Tc)またはアモキシシリン(AMPc)、ビスマス製剤bismuth subcitrate、メトロニダゾールmetronidazole の三者併用を2週間。

2.プロトンポンプ・インヒビター(omeprazoleなど)+アモキシシリン(AMPc)1.5g/day、クラリスロマイシン400-800mg/dayの三者併用を1週間。これが現在主流の処方である。
*十二指腸潰瘍の場合、除菌だけでも治癒率が変わらないことが報告されている。

●H2ブロッカー、スクラルファート、防御因子増強剤、などもつかわれている。
●十二指腸潰瘍の40%、胃潰瘍の30%はプラセボの4週間投与で治癒する。(日本人のデータでは十二指腸潰瘍の21%が2年間で自然治癒)。

NSAIDによる潰瘍の予防にはMisoprostolが有効なことが証明されている。


予後
消化性潰瘍の内視鏡所見からみた病期(stage):A1→A2→H1→H2→H3→S1→S2
*Active stage, Healing stage, Scarred stage

A1: 潰瘍周辺に浮腫があり、潰瘍底は汚く厚い苔を有し、血液凝固塊の付着がみられたりする。
A2: 浮腫は弱くなり、潰瘍底は白苔でおおわれる。
H1: 潰瘍は縮小し、辺縁に再生上皮により発赤帯がみられ、粘膜ひだの集中がはっきりしてくる。
H2: 潰瘍はさらに縮小し、それを囲む発赤は幅が広くなり、ひだの集中もより明瞭となる。
H3: わずかに点状の白苔を集中したひだの中心部に認めるにすぎない。
S1: 白苔は消失し、集中した粘膜ひだの中に発赤を認めるだけとなる。Red scar.
S2: 発赤も消失し、粘膜ひだの集中のみみられる。White scar.

治癒後1年の再発率は70から80%であるが、H. pyloriの除菌療法が行われると10%以下になる。しかも再発例はH. pyloriが再度出現した例であり、除菌が完全でなかったと考えられる。除菌に成功した例では長期観察によっても再発が無いことが報告されている。

従って、H. plori陽性の十二指腸潰瘍(ほぼ100%H. pylori陽性)、胃潰瘍(85%以上)は除菌療法の対象となる。(ただし、NSAIDSによる潰瘍は別に考える必要がある。)