コミュニケーションスキル
患者とのコミュニケーションにおける重要な課題
1. 患者の主な問題を聞き出す、 それらの問題の受け取り方
患者の問題の患者および家族に対する影響、肉体的、感情的、そして社会的影響
2. 患者が知りたい事に対して、情報を調整する; 患者の理解をチェックする。
3. 与えた情報に対する患者の反応を聞き出す。そして、気になることを聞き出す。
4. 治療の選択肢がある場合は、方針の決定にどの程度、患者がかかわりたいのかを明らかにする。
5. 患者に意味が理解できるように治療の選択肢について話し合う。
6.同意した治療方針の決定と生活習慣の変更に関するアドバイスに患者が最大限従うようにする。
コミュニケーションを阻害するような行動
・主要な問題がはっきりする前にアドバイスや再確認を与える。
・患者の苦痛を正常であるかのようにいいくるめてしまう。
・身体的な側面ばかりに注目する。
・会話の主題をそらす。
・患者に合わせて喜ばせるようなことをいう。
患者が自分の問題を明かさない理由
・何もすることができないと信じている。
・医師に迷惑をかけることを躊躇する。
・哀れと思われたくない。恩知らずと思われたくない。
・それらを口にするのは正当ではないという懸念。
・医師の阻害するような行動。
・自分の悪いところが、確認されることへの恐れに対する心配。
効果的な訓練法
・現在のコミュニケーションにおける欠陥、それらの理由、それらが患者と医師に及ぼす結果、について、根拠を明らかにする。
・これらの欠陥を克服するために必要なスキルのための根拠の基本を提供する。
・学ぶべきスキルをデモンストレーションし、それらに対する反応を聞き出す。
・制御された安全な環境において、それらのスキルを練習する機会を与える。
・パフォーマンスについて建設的なフィードバックを与え、阻害的な行動の理由について、反省・熟考する。
模範のデモンストレーション
・詳細なハンドアウトを与え、講義を行う。
・欠陥を緩和し、診療において有用なコミュニケーションスキルと態度の改善について伝える。
・実際の行動で、スキルをデモンストレーションする:オーディオテープやビデオテープ、あるいは実際にデモする。あるいは、シミュレーション患者を用いて診療を行わせフィードバックを与える。
シミュレーションによる練習
・どのような方略が、好まれそしてなぜなのかについて、前向きのコメントを与える。
・建設的な批判は、すべての前向きのコメントが出尽くしてから、与えるようにする。
・建設的な批判を述べる参加者に対しては、代替となる方略を提案させ、その提案の理由について尋ねる。
・どのような阻害的な行動も、明確にし、面接者は、なぜそうするのかについて、よく考えるよう指示する。
・他の参加者についても、もし同様な阻害的行動をとっている場合には、それに気付かせ、なぜそうするのかについて尋ねる。
・学習を強化するために、医師には、学んだこと、うまくいったこと、そして違ったやり方でできたかもしれないことについて復習することを求めるべきである。
文献
Maguire P, Pitceathly C: Key communication skills and how to acquire them. BMJ 2002; 325:697-700.