自己免疫性肝疾患を中心にした病理と臨床の肝疾患研究会
第35回川崎リバーカンファレンス
日:平成18年6月24日(土)
時:午後2:00〜6:00
所:NTT東日本関東病院・低層棟4階・カンファランスルーム
東京都品川区東五反田5-9-22 TEL 03-3448-6111(代表)
主催:シェリング・プラウ株式会社
中野雅行先生出版記念
”振り返ってみた肝臓病理の世界 病理組織像と世界の肝臓病理医”
T 症例検討 PM2時〜6時
当日,受付で病理標本,病理写真MOをお受けとりください.発表はPCプロジェクター(Windows対応)です.USBフラッシュメモリーに入れてお持ちください.
症例1(宿題報告,34回の症例7):IT,36歳男性
施設:NTT東日本関東病院(塙 勝博先生,伊東友弘先生)
診断:石灰化を伴う多発肝腫瘍
問題点:検診で偶然発見された石灰化を伴う多発肝腫瘍の症例.前回のカンファランスでは腫瘍生検でαSMA陽性紡錘形細胞が認められ、平滑筋腫の可能性が示唆されました.2005年末に東京女子医大で肝切除が行われました.最終診断は?
病理組織:2005/10/4,2005/12/20 (肝切除)
担当病理医:中野雅行,司会:柴田 実
症例2(宿題報告,34回の症例4):SM,32歳女性
施設:手稲渓仁会病院(姜 貞憲先生)
診断:AIH or AH-CMV
問題点: 2005/7黄疸を伴う肝障害で入院.IgG-CMV Ab, IgM-CMV Ab陽性でCMV感染が疑われ,第34回当カンファランスに呈示されました.CMV抗体価がペア血清で不変であり,抗核抗体陽性もありAIHが疑われました.PSL投与後のCMV DNA,ウイルス抗原,肝組織像,臨床経過を報告していただきます.
病理組織:2005/7/22,2006/5/17
担当病理医:日本医大病理 松本光司先生,司会:柴田 実
症例3(積み残し,34回の症例2):TY,39歳男性
施設:香川県立中央病院(浅木彰則先生,高口浩一先生)
診断:若年男性のAIH?
問題点:2003年10月発症(AST 263, ALT 577).2003年12月から2004年4月までPSL投与し著効.PSL中断の2年後に肝障害再燃(AST 447, ALT 913).HLA-DR2,4ともに陰性で,若年男性ですがAIHでいいのでしょうか?内服薬があるのですが薬剤性肝障害の可能性はないのでしょうか?
病理組織:2003/12/1, 2005/2/25
担当病理医:松本俊治,司会:銭谷幹男
症例4(積み残し,34回の症例8):YM,29歳女性
施設:NTT東日本関東病院(塙 勝博先生)
診断:原因不明の脂肪肝
問題点:肝障害(AST 536, ALT 324, γ-GTP 2514)で初診.薬剤(抗うつ薬),飲酒を疑い,入院禁酒としたが肝障害改善せず.脂質は飲酒と関連なくTCが115〜423,TGが176〜2882と乱高下します.HDL-C,LDL-Cは正常です.肝障害,高脂血症の原因は?
病理組織:2005/4/1 脂肪肝(大滴性+小滴性混在)
担当病理医:松本俊治,司会:森實敏夫
症例5(新規例):40歳女性
施設:昭和大学藤が丘病院(与芝真彰先生)
診断:劇症肝炎(LOFH)
問題点:H15年4月より体重増加(10Kg),倦怠感,肝障害高度で同年8月入院.肝萎縮著明で劇症化が予測され藤が丘病院に入院.体重増加を伴うLOHFのようです.どのような病態,病因でしょうか?
病理組織:2005/10/10
担当病理医:中野雅行,司会:柴田 実
症例6:65歳男性
施設:東京逓信病院(大久保先生、橋本直明先生)
診断:原因不明の難治性腹水
問題点:心原性,腎原性は否定的で,肝疾患による腹水,浮腫と思われる例です。経過中に,腎不全、間質性肺炎,カリニ肺炎,心膜炎を合併し死亡されました。東京逓信病院のCPCでは,病理学的に見慣れない肝組織所見とのことで結論がでておりません.どのような病気を考えればよいのでしょうか。
病理組織: 剖検
担当病理医:松本光司,司会:銭谷幹男
症例7:KS,41歳男性
施設:福島県立医科大学第二病院(斉藤広信先生,大平弘正先生)
診断:AIH
問題点: 改善,増悪を繰り返し,3回肝生検を実施しています.2回目の肝生検からPSLが投与されています.ANA陰性,ASMA陰性,IgG正常,男性ですがAIHでいいのでしょうか?1回目の肝障害もAIHなのでしょうか?AIHのトリガーとなった別の肝障害なのでしょうか?
病理組織:2005/6/21,2005/8/18,2006/2/2
担当病理医:松本俊治,司会:森實敏夫
症例8:SM,50歳女性
施設:県西部浜松医療センター(則武秀尚先生)
診断:EBウイルス感染症+AIH,PBC mixed type?
問題点:肝障害精査のため紹介.肝組織はPBC的ですが,EBVEA(early antigen)+, EBV-DNA+, IgG 3559と高値,M2陰性,ASMA+, anti-LKM1+と特異な血清検査結果でした.EBVの慢性感染やAIHの関与は?IgM-HBc抗体も陽性のようですがその意義は?治療方針はどうでしょうか・
病理組織:2005/10/26
担当病理医:中野雅行,司会:柴田 実
症例9:YM,62歳男性
施設:NTT西日本大阪病院(金子 晃先生)
診断:AMA陰性PBC?PSC?
問題点:昭和61年肝生検で胆管炎,PSC疑いと診断され,UDCA1200mgと大量投与され,後にベザトールも併用されました.M2抗体陰性ですが,平成17年のラパロではPBC的とのことです.平成17年から黄疸が出現し,PSL併用後減黄しています(T-Bil 5.0→1.5).本例の診断は?
病理組織: 2005/6/27
担当病理医:松本光司,司会:銭谷幹男
症例10:69歳女性
施設:昭和大学藤が丘病院(与芝真彰先生)
診断:AMA陰性PBC?
問題点: 高血圧でタナトリル内服中.H15年7月から肝障害を認め,10月に内服中止するも肝機能の改善を認めませんでした.胆道系酵素高値でM2陰性です.肝障害の原因は何でしょうか?
病理組織:2006/2/23
担当病理医:松本俊治,司会:森實敏夫
症例11:TA,75歳女性
施設:NTT東日本関東病院病院(柴田 実先生)
診断:CHC増悪?AIH?
問題点: 1993年CHCでIFN治療施行.治療終了後HCVRNA+だが,ALT正常化しました.2005年12月よりALT400〜600と上昇し始めました.ANA陰性,ASMA陰性ですが,IgG 2500と高値で,HLA DR4陽性.CHCにしてはALT高すぎ,AIHの関与も疑いました.PSLとIFNのどちらで治療すればいいのでしょうか?
病理組織:2006/2/3 CH(F2/A2)
担当病理医:中野雅行,司会:銭谷幹男
病理解説
国立病院機構千葉医療センター病理 中野雅行先生
順天堂大学医学部第一病理 松本俊治先生
日本医科大学第二病院病理 松本光司先生
総合司会
NTT東日本関東病院消化器内科 柴田 実先生
東京慈恵会医科大学消化器肝臓内科 銭谷幹男先生
神奈川歯科大学内科 森實敏夫先生
コメンテーター
せんぽ東京高輪病院院長 戸田剛太郎先生
会場:NTT東日本関東病院 (http://www.ntt-east.co.jp/kmc/index.html)
JR五反田駅から徒歩約7分,都営地下鉄浅草線五反田駅から徒歩約5分です
駐車場は地下3階,1時間200円です.
当日は休診日ですので,正面玄関左の救急入り口から入り4階に上がって,高層棟から橋を渡って低層棟へ移動し4階のカンファランスルームにおこしください.お昼は軽食の用意があります.
連絡先:東 京;〒163-1033 新宿区西新宿3-7-1 新宿パークタワー33F
シェリング・プラウ梶@後藤田剛史 03-6901-1611
神奈川;〒222-0033 横浜市港北区新横浜 3-19-5 新横浜第二センタービル8F
シェリング・プラウ梶@深井信宏 045-475-3855