自己免疫性肝疾患を中心にした病理と臨床の肝疾患研究会
第33回川崎リバーカンファレンス
日:平成17年4月23日(土)
時:午後2:00〜7:00
所:NTT東日本関東病院・低層棟4階・カンファランスルーム
東京都品川区東五反田5-9-22 TEL 03-3448-6111(代表)
主催:シェリング・プラウ株式会社
URL:Hepatology on the WebのMedical Meetings (http://www.kdcnet.ac.jp/hepatology)
T 症例検討 PM2時〜5時
当日,受付で病理標本,病理写真CD,病理コメントをお受けとりください.発表はPCプロジェクター(Windows対応)です.CDかUSB対応フラッシュディスクに入れてお持ちください.
症例1:SN,67歳女性
施設:取手医師会病院内科(木村武志先生)
診断:肝硬変(AIH or PBC)
問題点:肝障害精査目的で受診.M2抗体210U/mLと高値でPBCが疑われ肝生検しましたが,組織学的にAIHかPBCか診断に迷う例です.現在UDCA療法をしていますが,PSL投与を考慮すべきでしょうか?
病理組織:2003/8/14 (0381503020)
担当病理医:国立千葉病理 中野雅行
症例2:70歳男性
施設:県西部浜松医療センター(則武秀尚,影山富士人,竹林安則先生)
診断:AIH
問題点:慢性副鼻腔炎にポララミン/リンデロン合剤が3年間投与され,中断後に肝障害(T-Bil 8.4, AST 1333, ALT 1689)を発症しました.中断を契機に発症した高齢者AIHでいいのでしょうか?HLA DR4 (+)
病理組織:2005/1/12 (0500215), CH(F3/A2) compatible with AIH
担当病理医:順天堂病理 松本俊治先生
症例3:SY,23歳女性
施設:福島県立医科大学第二内科(高橋敦史,大平弘正先生)
診断:劇症肝炎(AIH or 痩せ薬)
問題点:2004年8月より通販の痩せ薬を1ヶ月服用.9月27日倦怠感出現,10月2日黄疸出現,10月26日肝性脳症出現,血漿交換+ステロイドパルス療法で改善せず,10月27日生体肝移植が実施されました.ANA 1280, IgG 2348.HLA-DR2,4とも陰性です.原因はAIHでいいのでしょうか?脳症改善なく,ビリルビンD/T比低値より肝移植を実施しましたが,選択は妥当でしたでしょうか?
病理組織:2004/10/27 (H0405099) massive necrosis of liver (移植時摘出肝)
担当病理医:日本医大病理 松本光司先生
症例4:YT,62歳女性
施設:高松平和病院(蓮井宏樹先生)
診断:PBC or NASH ?
問題点:検診で肝障害指摘.ANA陽性,ACA陽性よりAMA陰性PBCを疑い肝生検.UDCA,ベザフィブラート治療を行いましたが肝機能に変化なし.M2抗体は旧型陰性,new version陽性.免疫ブロットはanti-BCOADC-E2 (IgG class)単独陽性でした.本例はPBCなのでしょうか?脂肪肝なのでしょうか?
病理組織:2001/3/16 (P14006), 2002/11/15(P16211) fatty liver with portal hepatitis
担当病理医:国立千葉病理 中野雅行
症例5:14歳女性
施設:日立総合病院内科(石川晶久先生)
診断:AIH or B型急性肝炎?
問題点:急性肝炎で入院.PT 65%, TB 5.5, AST 1039, ALT 955, IgG 2673, ANA 2560, AIHスコア15点.AIHと診断してプレドニゾロン投与しようかと思ったら,HLA DR4(-),HBc抗体+でした.HBVマーカーを測定したら,HBsAg(-), HBsAb(-), HBeAg(-), HBeAb(-), IgMHBc(-),HBV DNA 3.2 log copies/mLでした.プレドニゾロンはどうしましょうか?AIHでしょうかB型肝炎でしょうか?
再び注目のOccult HBV infection でしょうか?(Gastroenterology. 2004 Nov;127(5):1356-71.)
病理組織:2005/12/15 ひどい急性肝炎 (046884)
担当病理医:順天堂病理 松本俊治先生
症例6:KA,83歳女性
施設:関東労災病院消化器内科(柳川達郎先生)
診断:特発性成人型胆管消失症候群?
問題点:高度の肝内胆汁うっ滞で入院(T-Bil 27, ALP 3881).AMA20倍,M2 18U/mLと弱陽性でした.肝織学所見はPBCには合致せず,特発性成人型胆管減少症を疑いました.服薬歴は無です.こんな年齢で,こんな高度な黄疸がくるのでしょうか?AMAの意味は?
病理組織:2003/9/3 (h200306140)
担当病理医:日本医大病理 松本光司先生
症例7:IM,55歳男性
施設:NTT東日本関東病院消化器内科(伊東和樹先生)
診断:M2陽性の急性肝炎?
問題点:急性肝炎で入院(T-Bil 8.0, AST 427, ALT 854, ALP 1104, GGTP 240).トフラニールに対するDLST±で薬剤性肝障害の可能性もありましたが,ANA 160, AMA 20, M2 55.0でした.入院後も肝障害が遷延するためPBC鑑別のため肝生検を施行しました.M2陽性の意味は?
病理組織:2005/2/8(h200501032) : PBC stage 1 compatible ?
担当病理医:国立千葉病理 中野雅行
症例8:TY,39歳男性
施設:香川県立中央病院(浅木彰則先生)
診断:若年男性のAIH?
問題点:2003年10月発症(AST 263, ALT 577).2003年12月から2004年4月までPSL投与し著効.PSL中断の2年後に肝障害再燃(AST 447, ALT 913).HLA-DR2,4ともに陰性で,若年男性ですがAIHでいいのでしょうか?内服薬があるのですが薬剤性肝障害の可能性はないのでしょうか?
病理組織:2003/12/1(03S-04318), 2005/2/25(05S-00779)
担当病理医:順天堂病理 松本俊治先生
症例9:SK,53歳女性
施設:昭和大学医学部第二内科(三木洋幸先生)
診断:AIH疑い,橋本病
問題点:1995年に慢性甲状腺炎と診断,1996年に肝障害を発症.AIHと診断されPSL治療されましたが,胆道系酵素は高値を持続(γ-GTP>1,000).2004年には下腿浮腫が出現.AIHでいいのでしょうか?胆道系酵素高値の原因は?
病理組織:2005/2/18 (P05-01588) PSL 10mg/day内服中の生検組織です.
担当病理医:日本医大病理 松本光司先生
症例10:IS,64歳男性
施設:NTT東日本関東病院消化器内科(塙 勝博先生)
診断:B型肝炎急性増悪
問題点:マントル細胞リンパ腫にて平成16年3〜9月までrituximab-CHOP治療(PSL100mg/日×5日を含む)を8コース受け,その後血管炎による皮疹にPSL 10mg/日が投与されました.治療前〜平成16年10月まではHBs抗原陰性でしたが,平成17年1月にHBs抗原陽性となり肝障害(T-Bil 26, AST 2475, ALT 2200, PT 67%, HBV DNA 7.2)が出現しました.IgM-HBcAb陰性なので急性肝炎ではなく,化学療法に伴うoccult HBVのreactivationと思われますが,それでいいのでしょうか?
病理組織:2005/2/25(h200501594) : 急性肝炎
担当病理医:国立千葉病理 中野雅行
症例11:歳性
施設:香川県立中央病院(高口浩一先生)
診断:掲載準備中
問題点:
病理組織:
担当病理医:
U 特別講演 PM5時〜6時
肝癌治療の温故知新
−肝癌の治療で大切なこと:20年,1500人の教えから
−日本人の肝硬変・肝癌:街角のよろず相談クリニックより
肝臓病・子育て よろず相談 伊東クリニック院長 伊東和樹先生
病理解説
国立病院機構千葉医療センター病理 中野雅行先生
順天堂大学医学部第一病理 松本俊治先生
日本医科大学第二病院病理 松本光司先生
総合司会
NTT東日本関東病院消化器内科 柴田 実先生
東京慈恵会医科大学消化器消化器肝臓内科 銭谷幹男先生
コメンテーター
神奈川歯科大学内科 森實敏夫先生
せんぽ東京高輪病院院長 戸田剛太郎先生
会場:NTT東日本関東病院 (http://www.ntt-east.co.jp/kmc/index.html)
JR五反田駅から徒歩約7分,都営地下鉄浅草線五反田駅から徒歩約5分です
駐車場は地下3階,1時間200円です.
当日は休診日ですので,正面玄関左の救急入り口から入り4階に上がって,高層棟から橋を渡って低層棟へ移動し4階のカンファランスルームにおこしください.お昼は軽食の用意があります.
連絡先:東 京;〒150-0013 渋谷区恵比寿 4-1-18 恵比寿ネオナートビル4F
シェリング・プラウ梶@後藤田剛史 03-5488-7341
神奈川;〒226-0000 横浜市緑区中山町 306-5 静銀中山ビル3F
シェリング・プラウ梶@深井 信宏 045-931-3801