新薬の開発相

新しい薬剤の開発は、ICHによって、国際的に共通の方法論が採用されている。基礎研究、動物研究の後、人を対象にした研究が行われるが、一般的に、大きく4つのPhase (相)に分類されている(表2)。これらの相は、必ずしも段階的に進められるというわけではなく、分類法も研究者によって異なることがある。

表2.薬剤開発の相(Phase)
Phase 内容
Ia 健常ボランティアで行われる臨床薬理学(Clinical pharmacology)、薬物動力学(Pharmacokinetic, PK)、安全性(safety)の研究である。
Ib 患者で行われる基本的研究で、PK, PD、生物学的マーカーによる証明が行われる。
IIa 少数(10-50人程度)の患者で行われるパイロット有効性研究(Pilot efficacy study)で、用量・反応、対象患者の選択、投与回数、さまざまな安全性、有効性に重点が置かれるのが一般的である。
IIb (通常、数百人の)患者で行われる有効性研究で、効果、(安全性)を証明する対照のある管理された比較試験である。
III 患者で行われる有効性と安全性を証明する承認を得るための治験であり、大規模なランダム化比較試験として行われる。
IV 承認を得た対象疾患、用量、用法による市販後の臨床試験。