臨床研究で遵守すべきこと
人を対象にした研究では、患者を含めた被験者の福祉を守り、傷害を最小限にすることが最優先されなければならない。その基準として、新GCP (Good Clinical Practice)[2]、ヘルシンキ宣言[3]、ICH (International Conference on Harmonisation of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Use[4])があり、遵守すべき項目が決められている。さらに、個別の臨床研究は、各施設の倫理委員会(Institutional Ethics Board, ERB)、治験審査委員会(Institutional Review Board, IRB)で審査を受ける必要がある。また、当然のことながら被験者からインフォームドコンセントを文書で得ることが必要である。新しい治療法を試みることが、医師の裁量権の範囲で可能である場合もあるかもしれないが、有効性がまだ確実に証明されていないから臨床試験が行われるわけであり、有効性が証明されるまでは、患者の利益が不明であることを忘れてはいけない。また、起こりうる副作用の問題も含めて、新しい治療法の適用には、慎重でなければならない。