ベイズの定理

ベイズの定理 Bayes theorem[2]

考え方:
「生まれたばかりの子供宇宙飛行士が,地球に降り立ったところ,丁度,日没であった。この子供科学者は夜を迎えて考えた,太陽が再び昇ることはあるのだろうか?なにしろ,地球に来たのははじめてだし,天文学の知識もないので,太陽が昇るのか,昇らないのかまったく分からない。そこで,太陽が昇る確率と昇らない確率は半々,つまり2分の1で0.5と0.5と考えることにした(事前確率)。言い換えると、「夜の後は太陽が昇る」という仮説が正しいという確信度は0.5と考えた。そこで,太陽が昇るという意味で白い玉を1個,昇らないという意味で,黒い玉を1個袋に入れた。さて,次の日の朝が来て,太陽が再び昇った(与えられたデータ),そこで子供科学者は白い玉を1個袋に加えた。この時点では袋から1個玉を取り出して,それが白である確率は3分の2であり,最初の0.5=2分の1より値は大きくなっている(事後確率)。さて,また次の日を迎え,再び太陽が昇った。そこで,さらに白い玉を1個袋に加えた。こうして,毎日朝を迎えるたびに,白い玉を袋に加えていった。98日後には,袋の中には99個の白い玉と1個の黒い玉が入っていることになる。この時点で,袋から1個玉を取り出すと,それが白い玉である確率は0.99となっていた(事後確率)。子供科学者は,地球上では夜に引き続いて日が昇るのは,ほとんど100%確実に起きることであると結論を下した。[3]」

ベイズの定理の基本形

あるデータが得られた場合、ある仮説が正しい確率 P(H|D) は、その仮説の元でそのデータが得られる確率 P(H|D)とその仮説が正しい確率P(H)とそのデータが得られる確率P(D)によって決まる。次式が一番単純な形でのベイズの定理を表したものである:

P(H|D) = P(D|H)P(H)/P(D)


P(A|B)という式は、Bという条件が与えられたときにAである確率を表す。条件付き確率と呼ばれる。

H: Hypothesis 仮説
D: Data データ(観測値)
P(H):Prior probability事前確率
P(H|D):Posterior probability事後確率

P(H)はデータを得る前の,つまり事前の,仮説Hについての確信の度合いを表す,主観確率といえる。Physician’s index of suspicion, Index of suspicion, 医師の診断確診度