定型的なシステムと非定型的なシステム

モデルやシステムにはformal定型的なものと,そうでないinformal非定型的なものがある。定型的なモデルやシステムはどの患者にも適用され得るものであり,非定型的なモデルやシステムはそれに加えて個々の患者にあわせて適用されるものである。定型的なものは汎用性があり,非定型的なものは一時的で個別のものである。

たとえば,診療ガイドラインは治療に関して方針を示すが,個々の患者に適応する場合には,年齢,重篤度,合併症,副作用などさまざまな要素によって,非定型的な部分を加えて用いられるのが普通である。一方,臨床治験の場合には厳密なプロトコールの適用が求められ,ほとんどが定型的なモデルが占めることになる。

新しい医学知識は定型化されたモデルやシステムとして生み出されてくる。それをわれわれは常に取り込んで,自分の医療のシステムをUpdateしていかなければならない。

図2 定型的モデルと非定型的モデル。