脳幹反射

1)対光反射:瞳孔に光を当てると縮瞳する。

2)角膜反射:求心性神経は三叉神経で、遠心性神経は顔面神経である。綿球または綿捧の先端をよって細くしたものを眼球角膜部に触れると、瞬目する反射である。

3)毛様脊髄反射:頸部付近をつねるか針で疼痛刺激を加えると、両側の瞳孔散大が起こる。この反射が消失している場合には下部脳幹の障害を意味する。

4)眼球頭反射:求心性神経は主に前庭神経で、固有感覚受容性求心路(頸部)も関与している。遠心性神経は動眼神経、滑車神経、外転神経である。意識障害があり、外眼筋麻痺のない場合には、頭を受動的に急速に左右に回転すると、眼球は運動方向と逆方向に偏位する。

5)前庭反射:求心性神経は前庭神経で、遠心性神経は動眼神経、滑車神経、外転神経である.頭部を30度挙上し、カテーテルで外耳道に冷水を50ml以上注入する。意識障害があっても脳幹機能が保たれている場合には、眼球が刺激側に偏位する.脳死では眼球運動が全くみられない。

6)咽頭反射:吸引用カテーテルで咽頭後壁を刺激すると、咽頭筋が収縮し、吐き出すような運動が起こる。舌咽・迷走両神経およびその神経核の検査である。

7)咳反射:主に迷走神経が関与する反射である。気管内吸引用カテーテルで気管を刺激した場合に咳が起こる。